子どもの「学校に行けない」「行かない」という行動は、親にとって気がかりな問題です。 つい、子どもを何とか学校に戻そうと、子どもの行動ばかりを気にしがちになります。
【⚠️大切な注意点】
いじめや体調不良など、原因がはっきりしている場合は、子どもの安全確保と心のケアが最優先です。行政・医療など適切なサポートは迅速にお考えください。
この記事で解説する「親の考え方と心の安定」は、原因の有無にかかわらず、対応の長期化が予想される場合の、家族の土台作りとしてお読みください。
📘 原則1:子どもの行動よりも「親の考え方」をまず修正する
私がこの期間を冷静に過ごせた経験から言えるのは、子どもの行動は、結局は子ども自身から動き出さなければ変わらないということです。
むしろ、初期の混乱や不安の原因は、実は親の心に根付いた勝手な期待にある場合が多いのではないでしょうか。
しかし、決して「あなたが悪い」「親が原因だ」と自分を責める必要はありません。 責めてしまうのであれば、なぜ責めてしまうのか、なぜ責めなくてよいのか、そして責めずに過ごす具体的な心の持ちようについては、また別の記事で詳しくお伝えしたいと思っています。
この言葉はきつく聞こえるかもしれませんが、無意識のうちに子どもを追い詰め、傷つけている可能性があることに気づくための大切な一歩です。
この親の勝手な期待こそが、子どもにとっても親自身にとっても、苦しくなる原因のひとつかもしれません。
だからこそ、最初のステップは、子どもの行動ではなく、親自身の考え方を取り除き、別の視点から物事を見ることを始めることです。これが、子どもにも親にも、そして家庭全体にとっても大事な土台作りとなります。
🌱 「学校に行かない」のもひとつの選択肢である
学校に行かなくなると、親の心には「この子の人生はどうなっていくんだ」という不安や心配がよぎることがあります。しかし、それは「学校という一つの道」しか見えていないことからくる思い込みかもしれません。
少し、私の家族の話をさせてください。
- 私自身: 不登校を経験しましたが、その後、自分の意志で学び直し、現在は看護師です。
- 長女: 少しだけ不登校の時期もありましたが、今は単位を落とすことなく大学生を続けています。
- 長男: 小・中・高と色々な道のりがありました。大学受験も考えましたが、本人が「また行けなくなるかも」という自分の不安と向き合い、自ら専門学校を選択。今は休むことなく、本当に楽しそうに通っています。
もちろん、学校に行かないことによるデメリット(学習の遅れや社会との接点の減少など)はゼロではありません。ですが、「学校がすべてではない」という事実は、私たちの家族が証明しています。
大切なのは、親が「何が何でも学校へ」という執着を手放し、「この子なりの幸せなルートが必ずある」と信じる視点を持つことです。その安心感が、結果として子どもが自分自身の足で歩き出すエネルギーになります。
🌈原則2: お母さんは家族を照らす「お空」。自分を後回しにしない
子どもにとって、お母さんは毎日を見守る「お空」のような存在です。 お母さんがニコニコと明るければ、家庭は温かな陽だまりになります。逆に、お母さんがお疲れでピリピリしていると、まるで雷雨の日のような緊張感が漂ってしまうこともあります。
もちろん、ずっと快晴である必要はありません。 たまには雨が降らないと草木(心)は育ちませんし、どの天気も大切な感情です。 でも、もしずっと太陽が顔を出さない「雨続き」の状態だとしたら……。少しだけ、自分自身を休ませてあげるサインかもしれません。
☕️ 頑張りすぎて疲れてしまったあなたへ
「親なんだから頑張らなきゃ」と、自分の時間を削ってまでお子さんのために動いてしまうことがあります。 でも、心の余裕がないと、同じ「大丈夫だよ」という言葉でも、声のトーンや言い方がどこかトゲトゲしくなってしまうものです。
それは、親子関係だけでなく、すべての人間関係において言えること。 もし今、「疲れたな」と感じているのなら、まずは自分を一番大切にしてあげてください。がんばろと思った時、それはすでに頑張りすぎていて疲れたよ、休んでいいんだよのサインかもしれません。
- 好きな飲み物をゆっくり飲む
- 5分だけ、誰にも邪魔されずにぼーっとする
- 自分が「心地よい」と感じることを選ぶ
お母さんの心にほんの少し「余白」ができるだけで、お子さんに届く空気感はふんわりと柔らかいものに変わっていきます。
そんな「心の持ちよう」について、ある日の保護者会での出来事を思い出します。
久しぶりにお会いした息子のお友達のお母さんが、少し怒り混じりにこう話してくれました。 「最近、夜遅くまでゲームをしていて、朝も遅刻ギリギリ。もう嫌になる」
私はその時、思わずこう伝えました。 「大丈夫だよ。遅刻ギリギリでも、行けてるもん。うちは今、学校に行けなくなって、ご飯も食べずに寝てばかりで……」
すると、そのお母さんの表情から、一瞬で怒りが消えたように見えました。「まだいいのかな」と。 きっと「遅刻ギリギリでも、元気に学校へ向かう背中を見られるのは、幸せなことだったんだ」と、今の当たり前にある光景に気づかれたのだと思います。この日、お話できてよかったなと思ったのを今でもお覚えています。
☀️ 原則3:「元気に生きている」という原点に立ち返る
🌟 究極の願いは「元気に生きていてくれること」
学校に行かないことを悩んでいた時、ふと立ち止まって気づいたことがあります。 それは、「この子が元気に生きていてくれること、それ以上に大切なことなんてない」という、親としての原点です。
かつて息子が、学校へ行かないだけでなく、ご飯も食べずに一日中寝てばかりいた時期がありました。 やつれていく姿を目の当たりにした時、私の悩みは変わりました。 「学校にまた行けるかな」ではなく、「お願いだからご飯を食べてくれないかな」。思い出しても怖いです。
あんなに悩みの種だったゲームも、それをして笑って、ご飯を食べてくれるなら、それでいい。 生活リズムが崩れていても、本人が楽しそうに過ごしているなら、それでいい。 命の危険を感じるほどの不安を前にした時、悩んでいた学歴や成績、学校に行く・行かないといった悩みは、失礼を承知で言えば「大問題ではない」と思えたのです。
もちろん、今お子さんを亡くされたり、病気と闘ったりしている方がいる中で、この表現はとても慎重に伝えなければならないと感じています。 ですが、私たちがつい忘れてしまいがちで、けれど一番大切にすべきなのは、「今日もこの子が目の前で息をしている」という奇跡ではないでしょうか。
学校は人生のすべてではありません。 でも、お子さんの命は、代わりのきかないすべてです。 まずは、食べて、眠って、心が少しでも動くこと。そこからすべてが始まると私は信じています。
今、もしあなたが不安で押しつぶされそうなら、どうか思い出してください。
もしかしたら今は、ご飯なんて作りたくない、寝顔なんて見たくない……そんなふうに、心が悲鳴をあげているかもしれません。でも、そんなにボロボロになりながらも、お子さんのために解決策を探し、この記事を読み、ここまでたどり着いた。
そのこと自体が、もう十分すぎるほど素晴らしい「愛」なのだと私は思います。
誰よりも頑張ってきた自分を、まずは褒めてあげてください。 ゆっくりで大丈夫。 お子さんのペース、そして、あなた自身のペースを大切にしていきましょうね。